娯楽の境地か~「DEATH NOTE」の感想~

娯楽の境地か~「DEATH NOTE」の感想~

原作 大場つぐみ・作画 小畑健の「DEATH NOTE」を読みました。かなりおもしろかったです。で、感想。「DEATH NOTE」は戦後マンガに連なる大きな流れである『人間と人間以外のものとの関係』をフォーマットにし、そこに大きな娯楽の枠として推理バトルを、その周辺には様々なものを詰め込んでいます。

人間と人間以外のものとの関係

夏目房之介がよく言う『人間と人間以外のものとの関係』とは、アトム(人間とロボット)、デビルマン(人間とデビル)、寄生獣(人間と変な生き物)などのように、人間と人間以外のものとの関係性を描き物語を進める漫画の主題の事。「DEATH NOTE」の場合なら人間と死神を対比させて物語を進めるわけです。

しかし、そもそも現実では、人間以外の生物は自我を持つことや喋る事はありません。ではなぜ死神(人間以外の生物)が自我を持つような設定をつくるのか?
それは現実ではありえない人間以外のものと人間を対比させれば、人間性の物語をつくるための効果的な手法になるからです。つまり『人間と人間以外のものとの関係』を描く漫画はその成立上、ヒューマニズム(人間性)を問う漫画なわけです。だから「DEATH NOTE」の終盤では必然的にそっちの方に話が行く。で、このヒューマニズムの話が全然おもしろくない。おもしろくなさすぎて、逆におもしろいぐらいの陳腐さです。

この陳腐さの原因は『大きな物語の消失』やポストモダン化による象徴界の衰退、つまりは言葉の力の相対化にあるように思います。

推理バトル

やっぱりこの漫画の一番の魅力は推理バトルの面白さ。ジャンプや少年誌が培ってきたバトル漫画の面白さを十二分に発揮しています。こんなに出来が良いバトルはなかなか無い。誘導が丁寧で誤読することなく、緊迫感が溢れていて楽しいです。あと、かなり噂になっていますが原作者の大場つぐみはラッキーマンのガモウひろしだそうです。

あと、小畑健の絵は綺麗でスマートで読みやすい。いしかわじゅんならものすごく完成度の高い絵とか達者な絵とか言いそうな絵です。この漫画は文章の量が多いので、調度が良い感じがします。小畑健の絵は「ヒカルの碁」もそうだし、ヒットしますね。

女性キャラのバカさ

個人的に一番面白かったのは、この漫画における女性キャラの描かれ方。みんなバカで、一途な設定です。出てくる女性キャラは少ないですが、みさみさ、アナウンサー高田はバカで一途の典型で、ニアの仲間のリドナーもメロが好きだから内通しますし、自らの命をたった死神レムもメスだとゆう設定です。

で、この女性キャラの一途な思いとゆうのが、最終巻の最後から6ページに及ぶキラ崇拝の場面に集約されているんだと思います。ただ、最終ページの女性の目は死神と契約した目として描かれてるように見えるんですが、これの意図がわかりません。誰かこの謎を教えてください。

参照・参考

photo by huhwhat