倦んだ女の物語 江國香織『冷静と情熱のあいだ―Rosso』の感想

倦んだ女の物語 江國香織『冷静と情熱のあいだ―Rosso』の感想

江國香織(Rosso)バージョンの『冷静と情熱のあいだ』読みました。

先に辻仁成(Blu) バージョンを読んでいたので、どうしても両方を比べながら文章を追っていってしまいました。明らかにRossoバージョンの方がうまくて読みやすかったです。どこか冷たい甘さで倦んだ、女の恋物語が展開されていました。

Bluバージョンは物語の初めっから「僕」の彼女に対する想いが熱い印象でした。逆にRoosoバージョンでは、「私」は友達から「日本に行ってつまらなくなった」とか言われたり、別の男と「静かな生活」を営んでいたりします。序盤は冷たく静かにがうまく演出されていて、終盤になるにつれて熱く速度が増して行きます。

もちろんBluバージョンもそんな展開を狙っていたのだろうけど、断然に江國香織の方がうまかった。友達は結婚したり、男の姉とシンパシーを感じ合ったり、とゆうエピソードの一つ一つが最高に効果的に儚げで倦んでいる女を演出していました。

そもそも修士とったのにパートタイムでジュエリー店の売り子やるような女って設定。それは倦んでる女以外にはありえません。大卒で青果市場で働いているようなものです。今しがた、この設定には少しあざとさを感じてしまいました。でも読中には、これが丁度良かったです。